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1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:17:02.622 ID:6qUhYwQl0.net
あるところにとても貧しい1人の少女が居ました。

少女はマッチを売る仕事をしていましたが、このご時世、マッチなど売れる筈もありません。

季節は冬。
寒さに震えながら道行く人々に声を掛け続けても、マッチは1本も売れません。

少女はとうとう寒さに耐えかねて、売り物のマッチを燃やして、暖をとることにしました。

引用元: http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1453904222/


2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:18:45.178 ID:6qUhYwQl0.net
少女がマッチを擦ると、シュボッと音を立ててマッチは勢いよく燃えました。


「あったかい…」


そう少女がひとりごちると、次の瞬間にはもうマッチは燃え尽きてしまいました。

それから何本か火をつけてみましたが、マッチはあっと言う間に燃え尽きてしまいます。

3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:20:03.871 ID:6qUhYwQl0.net
少女は足元に散らばったマッチの燃えかすを見つめながら、もっと長く暖まれる方法がないかとうんうん考えました。


何度うんうん唸ったことでしょうか。

ふと、少女は名案を思いつきました。


「そうだわ!今、私が身につけてる物を燃やせばきっとあったかいわ!」

4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:20:07.840 ID:FsZ93G6T0.net
感動した

5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:21:27.088 ID:6qUhYwQl0.net
少女は早速、自分の被っていた帽子を燃やしました。


「あったかい…」


帽子はマッチよりも遥かに長く燃えてくれました。


「あぁ…でも、もう燃え尽きちゃう…」


帽子はマッチよりは長く燃えてくれましたが、永遠に燃えてくれるわけではありませんでした。

6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:23:06.919 ID:6qUhYwQl0.net
少女は帽子が燃え尽きる前に、今度は手袋を燃やしました。

今にも消えそうだった火が新しい燃料を得て、また元気に燃え盛ります。

ほっと一息つくのもつかの間、すぐにまた火の勢いは弱まっていきます。


「仕方がないわ。靴下も燃やしましょう」


少女は履いていた靴下も脱いで、火に投げ入れました。

7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:24:06.025 ID:6qUhYwQl0.net
靴下が燃える様子を眺めながら、少女はもう燃やすものがないことに気づきました。


「困ったわ…」


身にまとったボロ切れのような服は残っていましたが、さすがに公衆の面前で服を脱ぐことは憚られます。

少女は俯き、しばらく悩んだ末、打開策を思いつきました。


「そうだわ!パンツを燃やしましょう!」

8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:25:40.909 ID:6qUhYwQl0.net
少女はいそいそとパンツを脱ぎ始めます。


人目につかぬよう、慎重に。


ようやく脱ぎ終わった頃には、少女が暖をとっていた火が今にも消えかかっていました。

もはや一刻の猶予もありません。

脱いだばかりのパンツを握り締めて、少女が意を決してパンツを火に投げ入れようとしたその時…



「あーもし?もしもし?よもや、そのパンツ…燃やしてしまうのでござるか?」



1人のキモオタに声を掛けられました。

9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:26:57.238 ID:6qUhYwQl0.net
「へ?」


思わず少女の口からはそんな間抜けな声が漏れます。

ポカンと口を開けた少女をジッと見つめて、キモオタは口を開きます。


「ゲフンゲフン…いや、拙者は別段怪しい者ではごさらん。ただ、そのパンツは燃やすには惜しいと思い、声を掛けた次第。燃やすくらいならば、拙者が買い取ろう。5千円で如何か?」


あまりに突拍子のないその申し出に、少女は…


「へ?」


やはり、間抜けな声を漏らすことしか出来ないのでした。

10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:28:34.562 ID:+4cA/0m5d.net
泣いた

11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:28:38.808 ID:6qUhYwQl0.net
「かたじけない…かたじけない…」


その後、キモオタは少女の手からパンツをいかにも宝物のように大事に受け取り、空いた手に5千円札を握らせて、何度も何度も感謝の言葉を繰り返しながら去って行きました。


ポツンと1人残された少女は、困惑しながらも受け取った5千円札をマジマジと眺めます。

自分のパンツにこれほどの価値があると知った少女は、あることを閃きました。


「そうだわ!マッチなんて売らずに、これからはパンツを売ればいいのよ!」


少女は5千円を握り締め、新しいパンツを買いに走り出しました。



こうして、『パンツ売りの少女』が誕生したのです。

12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:30:13.430 ID:6qUhYwQl0.net
その後、少女は来る日も来る日もパンツを売り続けました。


千円でパンツを買い、そして買い手が現れるとその場で脱ぎ、パンツを手渡し、5千円を受け取り、また新しいパンツを千円で買う。


一枚売れる毎に少女は4千円儲けることが出来ました。


『パンツ売りの少女』の噂は瞬く間にキモオタ達の界隈で有名となり、顧客は爆発的に増えていきました。

13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:32:16.544 ID:6qUhYwQl0.net
パンツ売り業を始めて間もなく月30枚のパンツが売れ、少女は12万円の収入を得ました。

少女は一箇所に留まらず、各地を周り、その次の月には月50枚、更にその翌月には月80枚も売れました。


その時点で少女の年商は400万円。
年収は384万円。
月収は32万円となりました。



パンツは非課税なので税金を払うこともなく、少女1人が生きていく分には充分な金額でしたが、ここで満足してはいけません。



パンツ売り業はさらなる成長を見込める事業だと少女は見込んでいました。

14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:33:58.919 ID:6qUhYwQl0.net
やがて月100枚を安定して売り上げるようになった少女は貯めたお金で小さな事務所を借り、『パンツ売り会社』を立ち上げました。

少女と同じような境遇の女の子達を、売り子として雇うことにしたのです。


売り子は『パンツ嬢』と呼ばれ、売り子の賃金は完全歩合制で、1枚売り上げる度に2千円を支払い、1枚千円の新しいパンツを与える。


この仕組みによって、会社はパンツ1枚につき2千円の利益を得ることが出来ました。

15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:35:12.083 ID:6qUhYwQl0.net
会社は順調に成長していき、従業員1000人を抱えるそれなりの規模の中小企業となったところで、人気のパンツ嬢からこんな声が上がります。


「私も独立してパンツ会社を立ち上げたい!」


少女はそんなパンツ嬢の声を無下にはしませんでした。
その言葉こそ、少女が待ち望んだものだったからです。


「お金は私が出してあげるから、好きにやってみなさいな」


こうして、全国各地に『パンツ子会社』が生まれました。

16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:36:27.058 ID:6qUhYwQl0.net
パンツ子会社が各地に散らばり、それぞれ成長していく最中も、少女のパンツ本社も右肩上がりで成長していきます。

ついに、従業員1万人を抱える大企業となりました。



「時は満ちたようね…」



少女はそう呟くと、証券取引所に連絡をいれました。



満を持して上場する時が来たのです。

17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:37:51.261 ID:6qUhYwQl0.net
少女は高らかに『上場の鐘』を鳴り響かせ、新しい時代の到来を全世界に知らしめました。

『パンツ売り会社』は初値で高値をつけ、時価総額数千億円の大会社となりましたが、しかし、少女の快進撃はここで終わりではありません。



少女が上場を果たしたその年は、ちょうど衆議院の総選挙と重なっていたのです。



少女は全国のパンツ支持者と、自らの顧客である大物政治家とのコネクションを足がかりに、政界へと進出する決意を固めていました。



そして少女はその年、初当選を果たし、パンツ売りの少女は晴れて国会議員となりました。

18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:39:45.861 ID:6qUhYwQl0.net
少女は最初の任期の4年間で強い影響力を持つ政治家や各省庁の高級官僚と繋がりを持ち、力を蓄えていきました。

少女は政界の中での自らの顧客の多さにとても驚きました。
少女の思想と反した、敵対勢力の中にも顧客の姿がちらほら見受けられます。



「……勝機ありね」



少女は2度目の選挙で各地にパンツ売り嬢の刺客を擁立し、自らの息のかかった議員を増やすことに成功しました。


そして新党『自由パンツ党』を立ち上げ、パンツ嬢達で構成された自由パンツ党は国政政党となったのです。

19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:41:35.615 ID:6qUhYwQl0.net
国政政党の党首の座についた少女が一番危惧するのはパンツ嬢のスキャンダルです。

少女が立ち上げたパンツ会社とパンツ子会社には、次のようなルールを課していました。



『一つ、パンツを販売する際は、その場で脱ぎ、その場で手渡すこと』

パンツとは鮮度が命であり、在庫を持ってはいけません。



『一つ、パンツ会社には男性の立ち入りを禁ずる』

男性が出入りするだけで、パンツとパンツ嬢への信用と企業の透明性が損なわれる可能性があります。



『一つ、パンツ売りに誇りを持ち、パンツ以外は売らないこと』

これはもちろん、パンツ売り業が売春とは一線を画したクリーンな企業である為に必要不可欠です。

20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:43:11.989 ID:6qUhYwQl0.net
これらの3つのルールをしっかりと守っているパンツ会社とパンツ子会社にはスキャンダルが起きる気配は微塵もありませんでしたが、少女は念には念を入れて、全国のパンツ党支持者のキモオタ達にネット上でパンツ会社に対する印象操作と情報操作を依頼しました。


これでスキャンダルに対する対策は万全です。


その間も、自由パンツ党は他の弱小政党を吸収し、時には大きな政党からも議員を引き抜き、勢力を拡大していきました。

党が大きくなるにつれて、政敵も増える結果となりましたが、少女のパンツ交渉術により、大きな衝突も起きず、2度目の任期満了を迎えました。

21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:44:32.971 ID:6qUhYwQl0.net
そして3度目の総選挙で、自由パンツ党は野党第一党となりました。

野党第一党となった自由パンツ党は、その支持者の数により国会内での発言の影響力も増し、与党を脅かす勢いを見せ始めました。


しかし、そんな自由パンツ党に対する反発の声もまた大きくなっていきました。


『女性の人権を守る会』と『男性の人権を守る会』の双方が反パンツ運動を開始したのです。

22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:45:41.877 ID:6qUhYwQl0.net
「女を売り物にするなー!!」

『女性の人権を守る会』はそう訴えます。


「男から金を毟りとるなー!!」

『男性の人権を守る会』はそう訴えます。



少女は国会前で行なわれるデモの声に耳を傾けながら、くすりと微笑みを浮かべました。


この事態は少女の想定の範囲内だったのです。

23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:46:39.739 ID:5xOH03ib0.net
パンツ脱いだ

24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:47:04.063 ID:FsZ93G6T0.net
どんな顔をしてこれを書いているんだろうか

26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:48:59.240 ID:6qUhYwQl0.net
双方の望みが叶った結果、待っていたのは男のパンツだらけの世界でした。

特にゴールデンタイムに流れる男のパンツ売りのCMは強烈で、反パンツ運動を先導していた人権団体はようやく自分達の愚かさに気付いたのです。


双方がデモを取りやめ、事態が沈静化したと判断した少女が宣伝活動をやめたことで、 悪夢から覚めた人々は世界の秩序を取り戻した少女を英雄視するようになりました。


もちろん男のパンツ会社は利益など出るはずもなく、宣伝費の回収は見込めないと踏んでいましたが、男のパンツ会社改め『男の飲みかけペットボトル会社』に一新した結果、ニッチなファンを獲得し、宣伝費の回収に成功しました。

27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:50:28.934 ID:6qUhYwQl0.net
この騒動により、良い意味で注目を集め、支持者を増やした自由パンツ党は次の総選挙で単独過半数を獲得し、政権与党となりました。



万雷の拍手と共に




少女は『内閣総理大臣』となったのです。

28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:52:32.285 ID:6qUhYwQl0.net
政権を手にした少女はパンツ関連法案の改正を推し進めました。

パンツの販売方法から、パンツの脱ぎ方、たたみ方までを全て国有特許として登録し、パンツ脱ぎを国家資格化して、国の基準を満たした『パンツ脱ぎ師』を『国家パンツ脱ぎ師』として認定出来るように法改正したのです。


同時に少女が立ち上げたパンツ会社を国営化し、パンツ会社の利益により国庫が潤うことになりました。


この時パンツ販売業はGDP比10%の国の主要産業となっていたことから、少女はパンツ販売に税を課すことなく、莫大な財源を獲得したのです。

29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:54:32.239 ID:6qUhYwQl0.net
法を整備し終わり、潤沢な資金を手にした少女は、国内に留まらず世界を俯瞰するパンツ外交を展開しました。

世界各地を外遊した結果、少女はこの世界にはまだまだパンツに恵まれない国々が沢山存在することを知りました。

少女はとりあえず自分の手の届く周辺国から救済することにしました。

少女の国からみて北に存在する2つの大国に比べ、南に存在する小さな国々の生活レベルはあまりに低く、パンツを履いていない小さな子供達が大勢居たのです。

31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:55:55.161 ID:6qUhYwQl0.net
少女は南の国々にパンツの販売方法を伝え、新興パンツ国へ金銭的な援助を繰り返し、パンツを日常的に買えるレベルまで生活水準を押し上げました。

その甲斐もあり、南の国々の子供達も皆パンツを履き、パンツを売れるようになりました。


少女は『大パンツ共栄圏』を作り上げたのです。


子供達が嬉しそうにパンツを履き、そしてパンツを売る姿はとても眩しく、また美しいものです。


しかし、北の2つの大国は南の国々の成長を快く思いませんでした。

32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:58:28.250 ID:6qUhYwQl0.net
もともと北の2つの大国は南の国々の人々を奴隷のように扱い、労働力としてこき使い、それを利用して発展した国でした。

このまま南の国々の生活レベルが上がり続ければ、労働力としてこき使うことができなくなると危惧した両大国は、少女の国を包囲して物流を遮断したのです。


少女の国は資源が乏しく、いくらパンツが売れても、お金があっても、燃料を外部から輸入しなければ生活できません。


少女の国のそんな事情をよく知っていた大国は、包囲網を解いて欲しければ南の国々への援助をやめるよう要求してきました。

33: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/27(水) 23:59:38.678 ID:6qUhYwQl0.net
少女はそんな自分勝手な要求をする大国に憤りを感じ、その要求を突っぱね、この状況を打破出来るチャンスを待ち続けました。

要求を頑なに拒み続ける少女に、北の2つの大国は痺れを切らし始めます。

実はこの時、2つの大国の経済状況は決して良いとは言えない状態だったのです。

南の国々の生活レベルが上がったことにより、労働力が枯渇したのが一番の要因でしたが、既に南の国々は独自に成長し始めていて、このまま少女の国を包囲し続けたとしても、以前の様にこき使うことが出来ないことは明白でした。

34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:00:51.076 ID:ySe4WA410.net
そこで新しい労働力と広大な領土を獲得する為に、2つの大国はお互いに宣戦を布告しました。

もともと2つの大国は仲が良いとは言えず、お互いがお互いを見下していたので、この機会に決着をつけることにしたのです。

この2つの大国の宣戦布告は、世界を巻き込む大戦に発展することは誰の目から見ても明らかでした。



そして2つの大国の両軍は、国境線にそれぞれ5万の大軍を展開し、睨み合いを始めました。



現時点で両軍に挟まれている少女の国も戦争に巻き込まれることは必至です。



その不安は国民の間に広まり、戦々恐々とした張り詰めた空気が少女の国を包み込みました。

35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:02:49.293 ID:ySe4WA410.net
「時は来たれり!」


少女はこの状況を好機として、少女の国の『国家パンツ脱ぎ師』約10万人を招集しました。


広場に集まった国家パンツ脱ぎ師達は皆一様に緊張した面持ちで佇んでいます。

皆、戦争が怖いのです。

そんなパンツ脱ぎ師達の眼前に、『パンツ売りの少女』が静かに現れました。

皆、固唾を飲んで少女の言葉を待ちます。



「諸君!昔の偉人は言った!『ペンは剣よりも強し』と!ならば我々は『ペン』ではなく『パンツ』をもって、大国間の諍いに終止符を打とうではないか!!」



少女のその言葉に、パンツ脱ぎ師達は歓喜しました。

36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:04:45.203 ID:ySe4WA410.net
少女の演説は続きます。


「此度の諍いの要因は心の貧しさにあると私は考えている!!2つの大国は今!パンツに飢えている!!『剣よりもパンツを』!!我々は、これより『パンツによる介入』を開始する!!」


パンツ脱ぎ師達のざわめきが大きくなり、ついに1人の脱ぎ師から声が上がります。


『総理!』


その声を発端として次々と声が上がります。



『司令官殿!!』


『総司令官!!!』


『大パンツ軍総司令官殿!!!!』



彼女達は皆一様に右手にパンツを握り締め、それを高く掲げ、その士気の高さを示すように声を張り上げました。

38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:06:38.159 ID:ySe4WA410.net
地鳴りのようなその歓声を一身に浴びて、少女は再び声を張り上げます。



「北の地でいがみ合い!睨み合っている連中に!パンツの感触を思い出させてやろうではないか!!連中に!パンツのぬくもりを思い出させてやろうではないか!!全軍!!進軍を開始せよ!!!!」



こうして、国家パンツ脱ぎ師達で構成された大パンツ軍は進軍を始めました。

39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:09:12.801 ID:ySe4WA410.net
北の地では2つの大国の軍団による、戦いの火蓋が切って落とされようとしていました。

互いに大国であり、5万の大軍がぶつかり合えばその被害は想像を絶するものとなることは、将校を始め、末端の下級兵士にも明白でした。


双方の兵士達の顔色は皆一様に青白く、恐怖で身体が竦んでいます。


膠着状態が続いた両軍は心身ともに疲弊しきっていました。


全軍突撃の命令が両軍から出されるその直前、彼らの間に『パンツ売りの少女』が10万のパンツ脱ぎ師達を引き連れて立ち塞がりました。

40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:10:29.783 ID:ySe4WA410.net
2つの大国の両軍に、どよめきが広がります。


パンツ売りの少女はもとより、パンツ脱ぎ師達も皆丸腰だったからです。

そんなどよめきの最中、両軍の間に立った少女はパンツ軍を5万ずつに分けて、双方の正面にパンツ脱ぎ師達を展開しました。


パンツ脱ぎ師達の壁により、進軍出来ずに立ち往生する両軍に向け、少女は口を開きました。



「双方よく聞け!!我々はこれより!パンツをもって此度の諍いに終止符を打つ!!」

41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:11:58.244 ID:ySe4WA410.net
少女のその宣言を受け、両軍の将校達は一斉に罵倒を浴びせました。



『パンツをもって我々の戦争に介入するだと!?』

『そんな馬鹿な話があるか!!』

『貴様!我々を愚弄すりつもりか!!』



少女は彼らの罵詈雑言を受けて、再び口を開きました。



『ならばその眼でとくと見よ!!『パンツ脱ぎ』とは如何なるものか!!総員!パンツ脱ぎを開始せよ!!!』

42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:13:43.696 ID:ySe4WA410.net
少女の命令を受け、パンツ脱ぎ師達はいそいそとパンツを脱ぎ始めました。


その様子を当初、両軍の将校や士官、下級兵士達は如何にも小馬鹿にした様子で眺め、野次を飛ばしていましたが、だんだんと野次が減り、両軍は脱ぎ師達がパンツを脱ぐ様を黙って食い入るように見つめ始めました。



訓練された『国家パンツ脱ぎ師』達のパンツ脱ぎの技は両軍の兵士達の想像を遥かに超えたものだったのです。



彼女達の恥じ入る様な表情、決してパンツ以外のものを見せないように脱ぐその技術、そしてパンツを足から抜き取る際の美しい仕草が、彼らを夢中にさせました。

43: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:15:44.522 ID:ySe4WA410.net
そして、軍を率いる将軍の目の前でパンツを脱いだ1人の脱ぎ師が、綺麗にパンツを折り畳み、丸めて、そっと将軍に差し出しました。


「ど、どうぞ……/////」


顔を真っ赤にしながら、もじもじ、おずおずとパンツを差し出す脱ぎ師の儚さに、ついに将軍の膝がガックリと落ちました。



「ありがとう…ありがとう…。私が…私が間違っていた…!」



脱ぎ師の前に跪き、まるで懺悔をするかのようにパンツを受け取る将軍の目からは、知らず知らずのうちに涙が次から次へと流れ落ちていました。

44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:17:56.218 ID:ySe4WA410.net
時同じくして、敵対していたもう一方の将軍も崩れ落ち、互いの将軍が受け取ったパンツで涙を拭いている様を見て、両軍の将校達が、士官達が、下級兵士達が、皆一斉に脱ぎ師達からパンツを受け取りました。


ひとり残らずパンツを受け取ったその時に、もう狂気が止んだことを少女は感じました。




やがて、兵士のひとりがぽつりと呟きます。




「帰ろう…。もう、家に帰ろう」

45: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:19:32.008 ID:ySe4WA410.net
その声に呼応するように、彼らはパンツを握り締め、1人、また1人と戦場を去って行きました。



彼らは戦いなどしたくはなかった。

ただパンツが欲しいだけだったのです。




少女は彼らが求めているものを正しく理解していました。



そうして世界大戦はパンツによって回避されたのです。

46: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:21:02.168 ID:ySe4WA410.net
この一件により、他国のパンツに関心を持った2つの大国と少女の国の三カ国で『三国パンツ同盟』が結ばれました。



そして少女は二度とこのようなことが起きないように、2つの大国と少女の国とで常任理事を担い、パンツによる世界の平和と安定を目的とした『国際パンツ連合』を組織しました。



宗教上の理由によりパンツの売り買いができない地域もありましたが、この組織によっていくらか世界は平和となり、世界の秩序は守られることになりました。

47: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:22:38.471 ID:ySe4WA410.net
世界を救ったパンツ売りの少女は神格化され、ほとんどの国の教科書に載るほどの偉人となりましたが、少女の生命は間も無く尽きようとしていました。

少女はもはや少女と呼ぶにはふさわしくないほど歳を重ねていましたが、それでも死にはあまりに早すぎる年齢です。


しかし、少女は自らの寿命がそろそろ尽きることを冷静に受け止め、早世する自分の運命を呪うこともありませんでした。


マッチを売り、寒さに凍えていたあの時、少女は死んでいてもおかしくはなく、そんな自分がここまで生き長らえたことに心から感謝していたのです。

48: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:24:33.163 ID:ySe4WA410.net
少女は『パンツ売りの少女』として生きて来た為、生涯独身で子供も居ませんでしたが、それでも少女の生命が尽きる時、彼女の周りには沢山の人で溢れていました。


少女の意志を継いでくれる者は沢山いる。

そのことに少女は安堵し、ゆっくりと瞼を閉じました。


そんな少女が最後に思い浮かべたのは、あの時初めてパンツを買ってくれたキモオタのことでした。



もしまた会えるならば、天国で…



そうして『パンツ売りの少女』は永遠の眠りつきました。

49: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:26:28.175 ID:ySe4WA410.net
少女の死は世界に伝わり、世界中の国々の人々が涙を流しました。


荼毘に付された少女が身につけたパンツもまた、少女と共に天高く昇っていきました。

少女と共にパンツも天命を全うしたのです。



世界は今日もパンツによって回っていく。

少女の意志を継いだ者達によって、少女亡き後も。




そして、『パンツ売りの少女』は伝説となり、おとぎ話として後世に語り継がれることとなりましたとさ。





めでたし めでたし。

50: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/28(木) 00:30:05.089 ID:ySe4WA410.net
エピローグ


少女がふと目を覚ますとそこは暖かな光に包まれた、見渡す限り一面の綺麗な花畑でした。

ふと自分の手のひらを眺めると、その手は若々しく、マッチを売っていた時の身体に若返っています。

少女はあることが気になって、いそいそとスカートの中を確認しました。



「良かった。ちゃんと穿いてる。ついてきてくれてありがとう…パンツさん」



ほっと胸を撫で下ろした少女の背に、声が掛けられました。




「あーもし?もしもし?」




懐かしいその声に、少女は振り向き、にっこり笑ってこう答えます。






「お久しぶりです!キモオタさん♪」






FIN


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